ヤマハのカート用
KT100SDのエンジンのオーバーホール
(分解点検)
から始まり
ピストンピン抜き
シリンダーとピストの隙間測定の続き。

今回はピストンリングのクリアランス測定。

これはピストンリングをシリンダーに挿入して
リングの合口の隙間を測定するものです。

測定ツールはシックネスゲージです。

図で説明すると次のようになります。

Kt100のピストンリングを測定

シリンダーの上部から
約10mm下がった位置にリングを入れ
測定します。

規定値は最大幅0.5mm
(7YP-28199-SEのマニュアル参照値)

実写で説明すると
次のように手に持ったピストンリングを
下のシリンダーの円筒の内部へ入れます。

ピストンリングとシリンダー

写真のようにリングはカットされています。
これはエンジンの発熱で
リングが膨張してしまうので
その場合にシリンダーに張り付いて
焼き付きしないように
リングが伸びても外径が変わらないように
逃げを作っています。

次のようにシリンダーに挿入すると
リングの合口部に隙間ができます。

シリンダーに挿入したピストンリング

この隙間のサイズが最大0.5mmです。
これより大きいと圧縮が抜けるのでマズイし
少なすぎると焼き付きの原因になってしまいます。

マニュアルに最小値が書いてない?

角度を変えてみた写真です。

角度を変えてみたリングとシリンダー

上部にリングの合口隙間があいる写真ですが
分かるでしょうか?

シリンダー上部より
平行に100mmの位置にセットしています。

最大0.5mmなので
とりあえずシックネスゲージの
0.5mmを選択。

シックネスゲージの0.5mm

これをリングの隙間に入れたのが次の写真

リングの隙間を測定してみた

ところが
なんとスカスカ!
先にピストンを測定した結果が
基準値の2倍もあったので
予想はできていたのですが
かなり酷い結果!!

結果的に測定値は
1.07mmという
予想を大きく上回るありえない結果(*_*;

シックネスゲージのは1.0mmと
0.07mmの2枚を合わせて測定に。

シックネスゲージの各サイズを組み合わせ

シックネスゲージはこのように
各サイズを組み合わせながら測定します。

やはりシリンダーもかなりヤバい状況だろう?

次回はシリンダーを
シリンダーゲージで測定してみます。