昨日は前編でROTAX MAXのキャブレターの取り外しをメインにスロットルバルブ周辺の分解を説明しましたが
今日はメインジェットの交換やフロートの調整の他に
低速域の調整などの説明です。
説明用写真が多いので前編・後編に分けています。
外したキャブを裏返し下側を上にして作業を開始します。
1、次の写真のようにダイヤル型のカバーを手で回して外します。
(カバーはプラグスクリューという名前のようです)
2、プラグスクリューの裏側はこうなっています。
3、キャブ側はメインジェットが見えるようになります。
メインジェットはマイナスドライバーで外せますが、
ネジの溝にピッタリ合ったドライバーか専用工具を利用しないとネジが山が壊れる可能性があります。
★メインジェット詳細
メインジェットは気温や走る場所の標高に合わせ燃料の濃さをベストにする調整用パーツなので
走る環境に合わせて変更する必要があります。
ちなみに標準でセットされているのは168番(番号はジェットに刻印されています)
標高400 気温25度が標準セットの基準です。
標高が上記の状態で気温が15度以下になると170番・35度で165番くらいです。
実際にはジェットのセットに交換の目どとなるグラフが付いているので、それを参照です。
エイコーのサイトにも説明があります。
ROTAX MAXの取り扱いマニュアルもダウンロードできます。(※旧型・新型あり)
上の写真のように3つのボルトを六角レンチ外すとフロートのカバーが外れます。
4、カバーとキャブレター本体との間にはパッキンがあるので破らないように気を付けて外します。
フロートが見えてきました。
5、カバーを完全に外した状態です。
左右に2つのフロートが見えます(白い四角のプラスチックパーツです)
★フロートはキャブレター内のタンク内の燃料を適正量に保つための浮きで中は空洞です。
燃料が減るとフロートが沈みバルブを開いて燃料が入って来ます。
適量までフロートが浮き上がるとバルブを閉じる仕組みです。
1個フロートを外してみました。
フロートがカバーに付いている金属のパイプで支えられているようです。
フロートには次の写真のように突起を作ってありニードルバルブ開閉の金具に掛かっています。
ニードルバルブは燃料を適正に保つための燃料通路の開閉バルブです。
カバーの裏側です。
6、フロートの調整です。
上の写真の基準値になっているか確認します。
※この数値が違うとメインジェットの設定にも影響するようです。
規定値であればカバーを閉じて元に戻しますが、フロートはカバー側に付けると入りません。
先にキャブレター本体側に仮に置いて、カバーに付いているパイプをフロートに差し込むようにフタをします。
規定値外であればニードルバルブの金具を曲げて(角度を変える)調整します。
具体的には、この金具がフロートの突起に接触する位置(高さ)を調整することになります。
★低速域の調整方法です。
次の写真のエアスクリューで低速域を調整します。
基準はスクリューを全閉状態まで閉めてから1.5回転戻した位置です。
負荷なしの7,000回転付近で回転が一定であることを確認!
(カートスタンドに乗せた状態で回す)
※徐々に回転が上がる→半回転閉める。
※徐々に回転が下がる→半回転開ける
★チョークバルブ
写真の黒いプラスチックのレバー上のパーツです。
レバーを引き上げると始動時の燃料が濃くなります。
水温が低い時に始動する場合にこのレバーを引き上げ始動します。
レバーを引いたままにするとエンジンがかぶりますので注意です。
★アイドリング調整
チョークバルブの下にあるスクリューです。
これはアイドリングの回転のみに影響するようです。
アイドリング中にエンジンが止まったり回転が高いときに回して調整します。
★スロットルバルブ
ROTAX MAXのスロットルバルブは上下に動いて開け閉めするタイプです。
閉じた状態でも次のように少し空いています。
半分開いた状態
全開状態
スロットルバルブの全閉と全開をアクセルワイヤーとアクセルのストッパーのボルトで調整します。
★オーバーフローパイプ
次の写真のパイプですが、初めて見た時に、あれっ!パイプに穴が開いてしまってる??
と思ったのですが、これで良いみたいです。
自分的にはゴミや水は入らないの?っておもっちゃいます(笑)
キャブレターの後ろ側の上部(エンジン側)にあります。
オーバーフローというのはキャブレターのフロートで調整している燃料が
調整量をオーバーして燃料があふれて出る状態です。
逆に低すぎると低回転域での息継ぎをするようで
フロートの調整かオーバーフローパイプの高さを高くしても良いと
エーコーのアドバイスに書いてありました。
キャブレターに付いて気になることがあった場合はまた別途アップします。